吉原遊廓はまるで“ひとつの社会”…女郎屋に暮らす人々の役割とリアルな日常:2ページ目
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若い衆(わかいし)
吉原の妓楼に勤め、接客対応する男性の事を若い衆や若い者と呼びました。彼らの仕事は多岐にわたります。
例えば見世を取り仕切る番頭、2階を采配する廻し方、妓楼の入り口の台に座って見張りや呼び込みをする牛太郎(妓夫)、客の履物を預かり下足札をつけて下駄箱にしまう下足番、花魁道中の際に先頭を歩く金棒引き、花魁に傘を差す傘差し、花魁に肩を貸す肩貸しの男衆など。

雇い人
若い衆とは別に、接客をせず裏方の仕事をする男女の奉公人の事です。台所で客に出す膳の物や女郎たちのまかないなどを作る料理番、風呂の用意をする風呂番、夜中に2階の行燈1つ1つに油を足しつつ見回りをする寝ずの番、女郎の着物の繕いなどの針仕事をするお針子さんなど。
芸者、幇間(たいこもち)

芸者は三味線や笛などで音楽を奏で、幇間はひょうきんな踊りや百面相などの芸で座敷を盛り上げる仕事です。
実際には芸者や幇間を抱える妓楼は少なく、彼らのほとんどが引手茶屋に所属していました。引手茶屋を通さずに揚がれるような小規模の妓楼は、直接何人か抱えていたようです。
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