『べらぼう』幻覚に苦しむ歌麿、妻となる”きよ”と出逢い、師匠・石燕との再会でいよいよ覚醒か:4ページ目
「それくらいで、ちょうどいいのさ」石燕かく語りき
さて、石燕に弟子入りした歌麿は、三つ目について問いかけます。
「先生の三つ目の目には、妖が見えてるってことですよね?」
「そういうことじゃな」
「あの、俺もほんとにそんな目、持ってるんですか?」
「まぁ、多分持ってんじゃねぇかなぁ」「持ってりゃ、そのうち何か見えてくるさ」
「ほんとですか?」
「多分」
「いい加減だなぁ」
本当に妖が見えているかなんて、誰にも分かりやしない。見えたところで、それが妖なのか本当なのかも分かりやしない。でも、世の中そんなもんです。そのくらいが、ちょうどいいのです。
理屈はいいからその辺のもの、何でもいいから描きたいものを描きたいように描いてみろ。それで歌麿が選んだのは、庭先の花でした。
まじまじと見て、手にとって。誰かの絵じゃなくて、実物を初めて自分で描く。それを楽しんでいる様子が伝わります。
「人まね歌麿」から新たな一歩を踏み出す予感に、多くの視聴者もワクワクしたのではないでしょうか。
第31回放送「我が名は天」
利根川決壊で大洪水の江戸。蔦重(横浜流星)は、新之助(井之脇海)らを気にかけ深川を訪れる。一方意次(渡辺謙)は、体調を崩した家治(眞島秀和)からある話を聞く…。
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
歌麿がスランプ脱却の希望を見せたところで、いっぽう江戸城内では反田沼勢力が着々と根回しを進めているようです。
次週は利根川決壊により、又しても江戸が大混乱に陥ります。噴火の次は大洪水……先の噴火で発生した火砕流や土砂が利根川の底を埋めており、これが氾濫の原因となりました。
そして田沼意次にとって最大の理解者であり庇護者であった徳川家治(眞島秀和)の寿命が、そろそろ尽きかけようとしています。
果たして子供が生まれたばかりの新之助(井之脇海)とふく(小野花梨)はどうなってしまうのか(オリジナルキャラだから生かすも殺すも自由だし、生まれたばかりの子供が被災死。視聴者のメンタルをえぐる展開を予想)……次週もしっかりと見届けていきましょう。

