『べらぼう』歌麿の兄弟弟子!師・鳥山石燕が育てた2人の女性浮世絵師の正体を史料から追う
江戸中期〜後期に活躍し、多くの妖怪画を手がけた鳥山石燕(とりやま せきえん)。現代の日本人が思い描く妖怪のイメージに、大きな影響を与えた浮世絵師として知られています。
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そんな彼には歌川豊春(うたがわ とよはる)や栄松斎長喜(えいしょうさい ちょうき)、大河ドラマ「べらぼう」に登場している喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)そして恋川春町(こいかわ はるまち)など、多くの弟子がいました。
ちなみに「べらぼう」では、”歌麿の人生に大きな影響を与えた師”として、片岡鶴太郎さんが鳥山石燕を演じました。
今回はそんな鳥山石燕の弟子であった二人の女性浮世絵師を紹介。その一人が石仲女(せきちゅうじょ)、もう一人が石柳女(せきりゅうじょ)と言います。果たして何者だったのでしょうか。
石仲女のプロフィール
石仲女(また石中女)は宝暦13年(1763年)生まれ。その出自や家族などについて、詳しいことは分かっていません。
石燕門下の歳旦帖(※)に名前があることから、弟子であることは確かなようです。
(※)年始の挨拶に贈られた弟子たちのリスト。
彼女の作品としては、武蔵国の円融寺(埼玉県秩父市)に奉納された絵馬「紫式部の図」が知られています。
絵馬の脇に「安永四未九月 石燕門人石中女十三歳筆」と記されていました。
安永4年(1775年)時点で13歳(満12歳)ということは、そこから逆算して宝暦13年(1763年)生まれということになります。
浮世絵師としての活動は安永年間(1772〜1781年)ごろと言われ、それ以降についてはやはりよく分かっていません。


