『べらぼう』歌麿の兄弟弟子!師・鳥山石燕が育てた2人の女性浮世絵師の正体を史料から追う:3ページ目
【仮説】二人は姉妹?鳥山石燕の孫娘?
今回は鳥山石燕の弟子として活躍した石仲女と石柳女について、それぞれの足どりをたどってきました。
どちらもほとんど謎に包まれていますが、二人の年齢差を考えると、二人は姉妹(あるいは親族)だったのかも知れません。
石とは師匠である鳥山「石」燕から、仲と柳はそれぞれの実名からとった可能性も考えられます。
- 石仲女:本名は仲(なか)?
- 石柳女:本名は柳(りう)?
二人は鳥山石燕の親族だったかも知れません。
ただし鳥山石燕とは半世紀以上の年齢差があるため、娘ではなく、孫娘だった可能性が高そうです。
あるいは石の字は師匠と関係なく、石のつく苗字(例:石田など)であった可能性も考えられるでしょう。
それぞれ20歳前後で引退しているようですが、これは結婚したためと考えられます。
終わりに
喜多川歌麿はじめ、多くの浮世絵師を輩出した鳥山石燕。NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」では、その最期はどのように描かれるのでしょうか。
また石仲女と石柳女についても登場するのか、登場の際は誰がキャスティングされるのかも注目です。
※参考文献:
- 井上和雄 編『浮世絵師伝』国立国会図書館デジタルコレクション
- 日本浮世絵協会 編『原色浮世絵大百科事典 第2巻』大修館書店、1982年
