
【べらぼう 解説】屁で復活の春町!そして誰袖「危険な間者ごっこ」の行方は?6月8日放送の振り返り:3ページ目
皮肉屋春町の真骨頂?『郭𦽳費字尽』とは
春町の手による造字辞典『郭𦽳費字尽(さとのばかむらむだじづくし)』。これは劇中でも解説されたとおり、往来物『小野篁歌字尽(おののたかむらうたじづくし)』のパロディでした。
実在の歌人・小野篁(おの のたかむら)を架空の遊び人・郭𦽳(さとの ばかむら)に変え、教養高い歌字尽を、覚える価値のない費字尽(無駄字づくし)に変えてしまったのです。
ちなみに𦽳(ばかむら)は小野篁の九代子孫という設定になっています。愚の字に竹冠(部首)を加え、篁っぽさを出しているのも味わい深いと言いましょうか……小野篁が聞いたら怒ってしまうかも知れませんね。
さて、そんな『郭𦽳費字尽』には、どのような春町文字があるのでしょうか。今回は全60文字の中から、面白いものを紹介したいと思います。
- 「門」の中に「笠」で「しのぶ」:お忍びで吉原遊郭へやってきました。
- 「指」+「切」で「心中(しんぢう)」:指を切って誓いを立てたのでしょう。
- 「言」+「似」で「声色(こわいろ)」:声を似せますからね。
- 「舟」+「渡」で「猪牙舟(ちょき)」:河を渡って吉原へ。
- 「イ」+「夕」+「方」で「俄(にわか)」:夜遊び前の夕方、テンションが上がります。
- 「休」+「取」で「間夫(まぶ)」:間夫は遊女勤めの憂さ晴らし。
- 「三」+「分」で「昼三(ちゅうさん)」:最上級の遊女。揚げ代が三分だから。
- 「千」+「秋」で「身請け(みうけ)」:一日千秋の思いで待っています。
こういう自分でオリジナル漢字を作って遊ぶのって、面白いですよね。皆さんは、どの春町文字が気に入りましたか?
4ページ目 誰袖が目をつけた蠣崎廣年(ひょうろく)とは何者?