
【べらぼう 解説】屁で復活の春町!そして誰袖「危険な間者ごっこ」の行方は?6月8日放送の振り返り:2ページ目
不埒がひり出した狂歌の意味は
褌一丁で捨て身の放屁芸を披露した不埒先生。せっかくですから、彼がひり出した狂歌についても、振り返っておきましょう。
烏帽(えぼし)着る 人真似猿の 尻笑い
赤恥歌の 腰も折り助(おりすけ)※酒上不埒
【歌意】人真似で烏帽子をかぶる猿の赤い尻を笑うが、詠んだ歌の腰が折れて恥ずかしい。
折助とは武家に奉公する下男の意味。主君に呼びつけられて「ここに居ります」という言葉から転じたのでしょう。
また「歌の腰が折れている」とは、下手な歌を指します。下男は腰を折って奉公することから、歌の腰とかけたのでした。
猿真似を笑った自分こそ、腰折れ歌で恥ずかしい。そんな自省が込められた一首です。
かつて北川政演(山東京伝。古川雄大)に自分の作品をおっかぶせられて怒っていた春町。しかし言われてみれば、おっかぶせたくなるくらい面白いという評価でもあります。
そもそも文学でも何でも、おっかぶせ合うことで切磋琢磨してきた結果が、今日の洗練をもたらしてきたと言えるでしょう。
自分の作品に、もっと面白くおっかぶせて欲しい。自分はそれが見たい。春町の宣言を通じて、二人は互いに高め合える関係になっていきそうですね。