日本三大祭りの一つ「祇園祭」ってどんなお祭り?その歴史を中心に解説〜今夏は祇園祭を極めよう:2ページ目
祭りの基調音コンチキチンとは
7月に入ると、京都の町は「祇園祭」一色に彩られます。京都駅に降り立つと、構内に独特なお囃子が流れていることに気づく人も多いでしょう。この賑やかなお囃子(祇園囃子)は、「コンチキチン、コンチキチン」と表現されます。
鉦(かね)、笛、太鼓による重奏で奏でられるその音色は、決して軽やかなものではなく、京都の人々の間では「腹に響く」ともいわれています。
祇園囃子は、室町時代末期に能楽の影響を受けて生まれ、江戸時代に入ってから今日のように洗練された音曲へと発展しました。
演奏は、鉦8人、笛8人、太鼓2人の囃子方によってテンポよく行われます。同じように聞こえても、実は曲目には鉾町ごとの独自性があり、それぞれの町で異なるものが演奏されます。鉾町では、子どもの頃から練習を重ね、伝統の演奏を学び、受け継いでいきます。
山鉾巡行が近づき、鉾町に祇園囃子が流れ始めると、町は一気に祭りムードに包まれます。そして巡行当日には、交代要員も含めておよそ40人が鉾に乗り込み、絶え間なく囃子を奏で続けるのです。
巡行の後半になると、囃子は急調子となり、これを鉾町の人々は“戻り囃子”と呼びます。この戻り囃子こそが祇園囃子だと感じ、特に好む人も多いといわれています。
