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今年の夏は「祇園祭」を極めよう!日本三大祭りの一つ「祇園祭」ってどんなお祭り?その歴史を中心に解説

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鉾は動く美術館であり博物館でもある

山鉾は、さまざまな装飾品によって飾られていますが、その本体を彩るのが胴掛・前掛・後掛(見送)です。これらの装飾には、貴重な美術工芸品が多く用いられていることで知られています。

たとえば、長刀鉾の前掛には「ペルシャ花文緞通(かもんだんつう)」、胴掛には「中国玉取獅子文緞通(たまとりししもんだんつう)」といった、18世紀頃の優れた緞通が使われています。見送には、中国・明代の「雲龍図綴錦(うんりゅうずつづれにしき)」が用いられており、いずれも非常に貴重なものです。

※2025/06/12 キャプションに誤りがあったため訂正しました

また、函谷鉾の前掛は、旧約聖書「創世記」の場面を描いた16世紀末の毛綴(タペストリー)で、重要文化財に指定されています。

この他にも、月鉾に飾られている華麗なペルシャ緞通など、各鉾ともに逸品ぞろいです。山鉾が「動く美術館・博物館」と称される所以は、まさにここにあります。

さて、「祇園祭」に関する歴史などの紹介は、ひとまずここまでといたしましょう。

とはいえ、あまりにもお伝えしたいことが多い「祇園祭」。この続きは稿を改めて、本年度の行事と日程、さらには山鉾それぞれの紹介などをお届けします。

本記事を参考に、今年の夏はぜひ「祇園祭」へ足を運んでみてください。

↓次回:「祇園祭」の前半のクライマックスである前祭山鉾巡行と神幸祭までの行事と日程を紹介!

今年の夏は「祇園祭」を極めよう!前半クライマックスの前祭山鉾巡行・神幸祭までの行事と日程を一挙紹介

夏の京都を舞台に繰り広げられる、八坂神社の祭礼で日本三大祭りの一つ「祇園祭」。そのハイライトは、7月17日と24日に行われる山鉾巡行(やまほこじゅんこう)と思われがちですが、実は祭りは7月1日…

※参考文献
京都歴史文化研究会著 『京都歴史探訪ガイド』メイツユニバーサルコンテンツ刊

 

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