
宅飲み、居酒屋のルーツは江戸時代に!現代人よりも酒を飲んでいた江戸の「酒文化」の実態【前編】
居酒屋・屋台が大繁盛
江戸時代になって戦乱の世が遠のき、社会が落ち着いてくると、江戸では飲酒の習慣が広がり始めました。今回は前編・後編に分けて、江戸時代の「酒文化」の実態について解説します。
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江戸の人々は現代人にひけをとらないほど酒を飲んでいたようで、料理のほかに酒も出す煮売茶屋のほか、16世紀半ば頃からは酒を飲ませるのが本業の居酒屋が繁盛し始めます。
もちろんお酒は古代から存在していましたが、庶民が家で気軽に楽しむようになったのは、江戸時代が最初だったのです。
また、外で飲むほか、家での晩酌も盛んになりました。酒屋で少量から酒を買うことが可能になったからです。
そして晩酌が一般化すると、当然、おつまみにこだわる人も増えます。そのニーズに応える形で、肴も多彩になっていきました。
江戸の町では売り物を天秤棒から下げたり担いだりした振り売りが行き交い、3月の桜鯛、5月のなす、10月のさんまなど、季節の魚や野菜を家のそばまで売りに来ました。
また夕鰺売りからは夕方あがった新鮮な鰺が買えましたし、おでん燗酒売りからは、熱燗も買うことができたのです。
さらに屋台も充実しており、煮しめや天ぷらなどを販売。竹の皮に包んで持ち帰れたことから、仕事帰りに買い物支度がなくてもテイクアウトの肴が調達可能だったのです。