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朝ドラ「あんぱん」に登場する、のぶの最初の夫・若松次郎のモデル「小松総一郎」の実像に迫る!

朝ドラ「あんぱん」に登場する若松次郎のモデル!のぶの最初の夫となった小松総一郎の生涯

朝ドラ『あんぱん』では、のぶの最初の夫として若松次郎という青年が登場します。彼には、実際にモデルとなった人物がいました。

その人物こそが、池田暢(のぶのモデル)が最初に結婚した一等機関士の小松総一郎です。

ここでは小松総一郎の生涯を、現存する一次史料――とりわけ『神戸高等商船学校一覧 昭和11・12年版』や同校「卒業生戦没者名簿」など――に即してたどります。一次資料が示す確かな年表に、今日まで伝わる証言や新聞記事を重ね合わせることで、朝ドラ〈あんぱん〉の若松次郎に投影された人物像の実像に迫ります。

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家族背景と神戸高等商船学校への進学

1912(大正元)年ごろ、小松総一郎は高知県高知市に誕生したと考えられていますこの記述は後年の神戸高等商船学校(現在の神戸大学の源流の一つ)の卒業名簿の本籍欄からわかります。

同じ名簿に両親の記載はありませんが、戸主欄が空欄のため、卒業時点で父親を早くに亡くしていた可能性が高いと推察されます(「戸主不詳」とする欄に丸印)。

『神戸高等商船学校一覧 昭和11・12年版』の機関科卒業生一覧第36ページには、「小松總一郎 高知」と明記され、昭和11(1936)年12月卒業とあります。また、同校同窓誌『商船学校校友会誌 第431号』(昭和10年刊)には在学中の表彰者名簿が載り、動力学首席の欄に小松の名前が確認できます。 こうした一次史料から、彼が同期の中でも優秀な成績であった事実が裏づけられます。

 

日本郵船一等機関士として

優秀な学生であった総一郎は、卒業後も順風満帆な道を歩んでいきます。

卒業名簿の就職欄には「日本郵船株式会社」とあり、民間最大手の外航会社に勤務したことが分かります。

日本郵船の社史(戦前編)1937(昭和12)年の定期昇任表に小松の名が見え、一等機関士補 から一等機関士に昇格した年月(1938年10月)が細かく記載されています。当時の船員給与基準では、一等機関士の本俸は月200円前後で、船内生活のため実質手取りは大きく、若い士官としては破格でした。

2ページ目 1939年の結婚とライカの贈り物

 

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