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強盗、殺傷、陵辱…江戸の町を震撼させた凶悪犯罪者 ~鬼平・長谷川平蔵 最後の事件~【後編】

強盗、殺傷、陵辱…江戸の町を震撼させた凶悪犯罪者 ~鬼平・長谷川平蔵 最後の事件~【後編】:2ページ目

屋根から屋根へ飛び回る怪盗

次は少しトリッキーな盗人です。『鬼平犯科帳』の「白と黒」には、翻筋斗の亀太郎という盗賊が軽業一座で鍛えた身の軽さで捕縛から逃れるエピソードがあります。これと同じような特技を持った盗賊が実在しました。

江戸の街を類焼から守る火消は鳶職の者が多かったのですが、早飛の彦という盗賊は屋根の上を次から次に飛び回ることができたといいます。

彼は赤坂にあった火消長屋に住んでおり、火盗改に協力する立場だったため捜査の手が及びにくかったようです。

早飛の彦はこうした立場を利用し、火消長屋から約150人いる手下に指示を出して押し込み強盗を働かせていたのです。

ちなみに、盗賊が屋根伝いに逃げるシーンが時代劇にはたびたび登場します。

江戸時代の町や長屋の入り口には「木戸」と呼ばれる柵が設けられており、夜になると閉じられました。そのため夜間に移動できるのは木戸が無い大通りだけでした。

そのため、盗人が捕方から逃れるためには屋根の上を行くしかなかったのです。

3ページ目 長谷川平蔵最後の事件

 

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