大河『べらぼう』切なすぎる…瀬川(小芝風花)と鳥山検校(市原隼人)惚れた相手のため身を引く二人の愛【後編】:3ページ目
大切な人が「光」を失わないため…瀬川の決断
検校と離縁した瀬川は、蔦重に離縁状を見せます。人目をはばからず瀬川を抱きしめる蔦重。二人は結ばれて、世帯を持つことを決めたのでした。
「瀬川による瀬川の本」について語り合う二人。瀬川は「巡る因果は恨みじゃなくて、恩がいいよ。恩が恩を生んでいく。そんなめでたい話がいい」とつぶやきます。そんな瀬川を抱きしめて「大事にする」と告げる蔦重。
ずっとこの時を夢に見ていたであろう瀬川の笑顔が幸せそうで、胸に沁みる思いでした。けれど、多くの人はこの後に待ち受ける別れを想定していたことでしょう。
あまりにも悲しすぎる二度目の「おさらばえ」
蔦重は、二人でやっていく新店舗「耕書堂」の開店準備に大晦日も明け暮れます。
かたや瀬川も荷物の準備をするのですが、その最中に重三から貰もらった本『青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)』を手にします。
吉原の遊女たちの日常の姿を描いた多色刷りの豪華な絵本で、身請けされる瀬川に蔦重が選別として渡したもの。実際に、本を読む瀬川の姿も描かれています。
最初は笑みを湛えていた瀬川ですが、「吉原をもっといい場所にしよう。それが俺たち二人が見ている夢だろ」……と語っていた蔦重の言葉を思い出し、表情がこわばって行きます。
何かを決意する瀬川。蔦重と一緒になるはずの荷物の準備が、別れるための準備へと変わるのでした。
大晦日の夜が明け、新年に松葉屋の寮に瀬川を迎えに行く蔦重ですが、そこに瀬川はおらず文だけが残されていました。

