大河『べらぼう』切なすぎる…瀬川(小芝風花)と鳥山検校(市原隼人)惚れた相手のため身を引く二人の愛【後編】:2ページ目
検校に「オペラ座の怪人」を感じる人も…
一説によると、鳥山検校は全財産没収のうえ、江戸から追放、検校職も奪われ、当道座は除名となり、文字通りにすべてを失うことになったと伝わります。ただし、その後、鳥山検校はほかの元検校らとともに赦免され、12年後の寛政3年(1791)には復官したともいわれています。
その後、検校は妻を娶ることはあったのでしょうか。きっと、自分の「光」であった瀬川以上に誰かに惚れることもなく、一緒に楽しい会話をしたときのこと、彼女から本音をぶつけてきたことなど、そんな思い出が消えることのない灯火のように、検校の心を照らし続けたことでしょう。
余談ですが、鳥山検校を「オペラ座の怪人」に例える声も散見します。
誰にも愛されずオペラ座の地下に逃げ込み、仮面を付け独り孤独に生きてきたファントム。若きコーラスガール、クリスティーヌの歌声に恋をし、暗闇の世界に引き摺り込もうとするも、彼女を救おうとする若き恋人ラウルに邪魔される。最後、ファントムはクリスティーヌから「愛」を学び、彼女を解放し恋人の元に返す。ファントムは彼女亡き後も墓を訪れ、赤いバラの花を飾っていた。
そんなストーリなのですが、確かに検校に重なる部分があるのでした。

