大河『べらぼう』蔦屋重三郎・瀬川・鳥山検校、それぞれの「夢噺」と「苦悩」を回想しつつ考察【前編】:3ページ目
夢を共有するビジネス仲間が増えていくが…
さらに、第12回「俄(にわか)なる『明月余情』」では、蔦重が吉原の俄祭りを盛り上げ、祭りの熱狂をそのまま絵本に仕立てて見物客に売り捌くというビジネスで大成功。
大河『べらぼう』着実に成長する蔦重、俄かに起こる神隠し…3月23日放送の解説&堪能レビュー!
顔見知りの平沢常富(尾美としのり)が、まさか人気の青本作家・朋誠堂喜三二(ほうせいどう きさんじ)だったとは……。大文字屋市兵衛(伊藤淳史)と若木屋与八(本宮泰風)の張り合いで大いに盛り上がる…
「俄祭り」で見かけた、亡八たちの踊りを楽しそうに見学する、絵師の勝川春章(前野朋哉)と北尾重政(橋本淳)、平沢常富(尾美としのり)たち。
勝川春章は「もし彼がいなければ、北斎や写楽の作品も異なっていた」と言われるほど浮世絵に大きな影響を与えた絵師、北尾重政は蔦重が最初に出版した『一目千本』の絵を描いて以来の長い付き合いとなる絵師、そして平沢常富は蔦重を支えていく一人となった人気戯作者です。
作品作り・本作りに同じ夢を持つ仲間たちの姿は、これから蔦重の夢が叶う明るい未来の広がりを感じました。
けれども、最後の九郎助稲荷(声/綾瀬はるか)の「けれど、それは俄かのこと。目覚めれば終わる、仮初めのひと時」には、これから暗雲が立ち込めてくることを示唆するような不穏な気配が漂っていました。


