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大河「べらぼう」繁盛しても地獄の吉原。五代目・瀬川花魁(小芝風花)の運命を左右した3冊の本【後編】

大河「べらぼう」繁盛しても地獄の吉原。五代目・瀬川花魁(小芝風花)の運命を左右した3冊の本【後編】:2ページ目

ドラマの中では『金々先生栄花夢』は「面白い!」と評判を呼びます。読んだ瀬川も「初めて青本を面白いと思った」と言うのですが、この本のヒットで鱗形屋が版元として復活し、また蔦重の邪魔をしたり利用したりしようとするのではないかと心配します。

それに対して、「吉原の妓楼主たちが対抗策を考えようとしてくれている、吉原を立て直そうとする仲間が増えた」と太鼓判を押す蔦重ですが、そこで瀬川の表情が複雑かつ哀しげに曇っていくことには気が付きません。

瀬川は「もうおめえの心配は無用だ」とでも言われているように感じたのでしょうか。

そして「すべて瀬川のおかげ」と感謝しながら、お礼に『女重宝記(おんなちょうほうき)』という本をプレゼントします。

「お前にはとびきり幸せになってほしい。それこそ名のある武家の奥方やら商家のお内儀やらになってほしいんだよ。お前ならなれると思う。女郎は世間知らずが多いので身請け後に苦労すると聞くが、この本を読めば必要な知識はすべて身に付く」と、あまりにも無神経な説明を真剣にするのでした。

たぶん、その瞬間、全視聴者が「そうじゃない!」と総ツッコミを入れたことでしょう。

3ページ目 女性用の教訓書だった『女重宝記』

 

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