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江戸時代、わずか50人で江戸の犯罪を取り締まった「火付盗賊改」はどんな組織構成だったのか?

江戸時代、わずか50人で江戸の犯罪を取り締まった「火付盗賊改」はどんな組織構成だったのか?:2ページ目

出張も事務作業もあった

また、証人や参考人の呼び出しにあたるのが、差紙使同心として9人います。ちなみに、差紙とは召喚状のことです。

長官の秘書役となるのが頭付同心3人で、出火場所の視察や市中の巡回にも同行しました。

主な活動範囲は江戸市中ですが、必要な場合は与力・同心を関東、東海、北陸、東北方面に派遣して捜査を行わせた例もあります。出張捜査もあったわけです。

『鬼平犯科帳』の「鯉肝のお里」でも捜査のために同心・沢田小平次が上州(群馬県)に派遣されるなど、たびたび地方出張が描かれていますが、あれは実際にありえた話なのです。

そして、犯人の供述記録や書類作成を行う事務方となるのが書役同心で、これは9人いました。ちゃんと事務員さんもいたんですね。

事務方の同心はこのほかにもおり、犯人の所持品や没収となった家屋の家財の処分、雑物と呼ばれる盗品の処理などを行う雑物懸同心2人、溜勘定懸同心1人という構成でした。

ちなみに、溜勘定懸同心の「溜」とは、病気になった囚人の収容施設のことです。溜勘定懸同心は、この「溜」に預けた囚人の食費などの会計業務を行いました。

3ページ目 フォロー体制も意外ときちんとしていた

 

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