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武士は本当に『忠義』を尽くしていたのか?タフな戦士「鎌倉武士」たちのリアルな生き方

武士は本当に『忠義』を尽くしていたのか?タフな戦士「鎌倉武士」たちのリアルな生き方:2ページ目

忠義と現実の狭間で揺れ動く武士たち

鎌倉武士といえば、やっぱり気になるのが『忠義』です。

武士は主君に忠誠を誓い、命を捧げる存在とされていますが、実際はそう単純な話ではありませんでした。彼らが本当に忠義を大切にした場面もありますが、現実的な判断で主君に背いたケースも少なくありません。

たとえば1221年の「承久の乱」では、後鳥羽上皇が幕府を倒そうと武士たちに協力を求めましたが、ほとんどの武士は上皇の命令を無視し、幕府側につきました。

理由は単純です。上皇に従ったとしても領地が保証されるか分からず、むしろ幕府側についた方が戦後に新たな領地をもらえる可能性が高かったからです。

彼らにとって「忠義」とは、主君への絶対的な忠誠ではなく、家族や領地を守るための現実的な選択だったのです。

夏目漱石の小説『草枕』には、こんな一節があります。

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される」

これは、理性ばかり優先すれば衝突が起こり、感情に流されれば物事は思い通りにいかないという意味です。鎌倉武士たちもこの「理性」と「感情」、「忠義」と「現実」の狭間で常にバランスを取らなければならなかったのではないでしょうか。

彼らはそのときどきで最善の選択をし、厳しい時代を生き抜いていったのです。

3ページ目 理想と現実を行き来するタフな戦士、それが鎌倉武士

 

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