
戦争は始めるより終わらせる方が難しい!では戦国時代はどのように「停戦」にこぎつけていたのか?:3ページ目
切り札としての人質交換
天正壬午起請文は、この時に提出された起請文を編集したもので、終末期の武田家臣団を知る史料として活用されています。
戦国時代は、こうした起請文なども活用しながら停戦の申し合わせを行っていたのです。
とはいえ、時代は乱世。起請文などと言ってもしょせん紙切れに過ぎないと言ってしまえばそれまでです。相手がいつ裏切るかは分かりません。
そこで切り札となるのは、子供を結婚させたり、お互いの子を養子に出すなどの縁組です。起請文の取り交わしとあわせて、こうしたことが同時に行われることも珍しくありませんでした。
要するに人質交換です。当時の大名たちは、これをもって戦闘終結としました。
ただ、こうした人質の価値も絶対的ではなく、見捨てられてしまうこともままあったようです。
参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社
画像:photoAC,Wikipedia