手洗いをしっかりしよう!Japaaan

江戸時代、吉原遊廓で活躍した「男芸者」とは?『吉原細見五葉松』よりその顔ぶれを紹介【大河べらぼう】

江戸時代、吉原遊廓で活躍した「男芸者」とは?『吉原細見五葉松』よりその顔ぶれを紹介【大河べらぼう】:2ページ目

男芸者たちのプロフィール

『吉原細見五葉松』には、男芸者たちの名前がズラリと並んでいます。これだけだと誰が何の芸に秀でているのかわかりません。

そこで今回は、各人について調べた限りを簡単に紹介しましょう。

  • 十寸見蘭洲(ますみ らんしゅう)
  • 十寸見蘭示(ますみ らんし)
  • 十寸見東洲(ますみ とうしゅう)

※それぞれ詳細不明。ただし芸名の苗字から、浄瑠璃「河東節」の名跡・十寸見河東の一門ではないかと考えられます。

  • 山彦半二(やまびこ はんじ)
  • 山彦藤二(やまびこ とうじ)

※こちらも各人については詳細不明。「河東節」三味線方の名跡・山彦源四郎の一門と考えられるでしょう。

  • 吾妻路宮古太夫(あづまじ みやこだゆう)

※浄瑠璃の太夫(語り手)として、その名跡が襲名されています。その何代目かと考えられます。

  • 春富士陸奥太夫(はるふじ むつだゆう)

※詳細不明。その芸名から陸奥国(現代の青森・岩手・宮城・福島4県)の出身なのでしょうか。

  • 富木豊善太夫(とみき ぶぜんだゆう)

※浄瑠璃「富本節」の名跡・富本豊前太夫(二代目)かと考えられます(富木は富本、豊善は豊前の誤字か)。

  • 常盤津安和大夫(ときわづ あんなだゆう)

※詳細不明。浄瑠璃「常磐津節」の名跡・常磐津文字太夫の一門ではないでしょうか。安和の読みは推測です。

  • 常盤津大和大夫(ときわづ やまとだゆう)

※こちらも常磐津一門。芸名から、大和国(奈良県)出身と思われます。

  • 富本加賀路大夫(とみもと かがじだゆう)

※詳細不明。富本豊前太夫の一門でしょう。出身地は加賀国(石川県南部)なのでしょうか。

  • 名見嵜徳治(なみさき とくじ)

※万延2年(1861年)中村座「顔見世番付」に同姓同名が見えます。時代が合わないため、代々襲名しているのかも知れません。

  • 鳥羽屋里慶(とばや りけい)

※盲人。姓は故沢(こざわ?)、別名を鳥羽屋里桂(読み同じ)とも。2代目鳥羽屋里長(長唄豊後節の三味線方を務める名跡)。(1797年)に襲名、(1820年)ごろまで活動の記録があります。

  • 名見嵜兵助(なみさき へいすけ)

※文化2年(1805年)中村座「顔見世番付」にその名がみえる。こちらは当人でしょうか。

  • 名見嵜市太(なみさき いちた)

※詳細不明。

  • 名見嵜八五郎(なみさき はちごろう)

※万延2年(1861)中村座「顔見世番付」にその名が見えます。こちらも襲名と思われます。

3ページ目 男芸者たちのプロフィール 続き……

 

RELATED 関連する記事