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聖徳太子の有名な肖像画は謎だらけ…描いたのは中国人!?ではそもそも描かれた理由は?

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作者は中国人

聖徳太子が笏を持って描かれたことは、後世の人々が彼をどれほど偉大な存在として敬ったかを示していると言えるでしょう。

現在、教科書などでは聖徳太子という名前は使われなくなってきています。しかしこの名称は、今も日本史上屈指の偉人を示すものとして今も十分に通用しています。

ただ、その聖徳太子を描いたものとして最も有名な「聖徳太子二王子像」については、分かっていないことがまだたくさんあります。

この絵には「唐本御影(とうほんみえい)」「阿佐太子御影(あさたいしみえい)」という、作者を示す二つの異名があるのですが、唐本・阿佐太子のいずれも日本人ではなく外国人のことなのです。

実際、「聖徳太子二王子像」の聖徳太子の服装や画風・構図は当時の中国のもので、日本の画風ではありません。こうした点は、すでに平安時代の学者によって指摘されていました。

これらの疑問に対する回答は、一応出されてはいます。しかしいかにも後付けのような内容です。

「聖徳太子二王子像」が、なぜ太子の死後100年以上も経ってから中国人によって描かれたのか、それがなぜ法隆寺に存在するのかなど、不明な点は今も残っています。

参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社
読売新聞オンライン
画像:photoAC,Wikipedia

 

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