
布教で来日したキリスト教系団体、実は「イエズス会」だけではなかった!知られざる四大派閥とその内情:2ページ目
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イエズス会内部の対立もあった
と、ここまでは修道会単位で四つの組織を紹介しましたが、さらに、最大派閥だったイエズス会のなかでも、ポルトガル系宣教師とイスパニア系宣教師が対立して二大派閥を作っているというのが内情でした。
海をわたって来日した宣教師たちは、神の教えを伝えるためにはるばる日本までやってきたはずですが、全員一丸となって布教活動にあたるというわけにはいかなかったようです。
なかでも、ポルトガル系宣教師とイスパニア系宣教師の対立は、1592年(天正20)にイスパニア船の日本来航が許されて以来、激しさを増しました。
ポルトガル系宣教師たちは、祖国の貿易船が打撃をこうむり布教活動にも影響が及ぶとして、イスパニア船の来航に強く反対したのです。
その後も両者の対抗意識はさらに高まり、昇進人事に関する問題などで対立を深めていきました。
一言にキリシタン勢力といっても決して一枚岩ではなく、その内情は複雑だったのです。
参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社
画像:photoAC,Wikipedia
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