現代の「食」「住」の起源は弥生時代にあり!当時の生活ぶりは意外なほど文化的だった:3ページ目
後世につながる「間取り」「トイレ」
当時の建物の中は、最初の頃は部屋の仕切りがありませんでしたが、入り口付近がくぼみ、加工用の石を置いてあったと思われる建物も発掘されています。
このことから、入り口近くが作業場で、中央が食事場所、そして、その周辺が寝る場所というように分かれたのではないかとも考えられていています。
時代を経ると、しだいに部屋の中を仕切ったり、土を盛った寝台が設けられたりするようになっていきました。
たとえば和歌山県の遺跡からは、住居の隅にそれぞれ離れて四つの土を盛った寝台が確認されています。
ただ、屋内にトイレを設置する知恵・技術まではなかったようで、野外に用便する区域をつくったり、川の上に屋根をかけた場所で用を済ませていたと思われます。
このように、川+屋根の組み合わせで造られた施設が、カワヤ (川家)と呼ばれるようになったわけです。
参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社
画像:photoAC,Wikipedia