大日本帝国憲法は「ドイツの真似」ではない?欧米の政治制度からの脱却を試みた伊藤博文たち【後編】:2ページ目
オーストリアの学者の憲法観
また、伊藤はドイツ帝国の隣国オーストリアでも憲法を学ぼうとし、ウィーン大学の法学者ローレンツ・フォン・シュタインを訪ねます。
この時、シュタインは「憲法とは一国の支柱となるべきものである。その根幹を作るのなら、自国の文化や歴史を踏まえないといけない」と教えました。
シュタインの憲法観から大きな示唆を受けた踏まえ、ドイツの政治制度にこだわる井上に対して「ドイツの煮法は日本にそぐわぬ部分が多くある。鵜呑みにしてはならない」と言っています。
こうして伊藤は、大日本帝国憲法及び内閣制度を、ドイツ以上に君主権(行政権)の強いものにする意思を固めたのでした。ドイツにこだわらずいろいろな国の君主権(行政権)の強い項目を大日本帝国憲法に反映させたのです。
では、その結果どうなったでしょうか。