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なぜ歯向かったのにお咎めなし?幕末、戊辰戦争で戦った旧幕派の藩主たちがほとんど処罰されなかった理由

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ほとんどが「お咎めなし」だったワケ

また、処罰の差も藩によって大きく異なっていました。新政府軍と最後まで戦った庄内藩(今の山形県の沿岸地域)は移封処分となるはずでしたが、30万両の献金と70万両の賠償金に合意したことで旧領の大部分が安堵されています。

さらに、盛岡藩は仙台領白石への転封が命じられていましたが、領民の一揆によって旧領復帰が許されています。

それ以外の諸藩もほとんどが一定の領土を保証されていますし、前述の庄内藩のように懇願や献金によって転封を免れた事例も複数確認されています。

このように見ていくと、新政府軍による処罰は「お咎めなし」のようなもので、ある意味で「甘い」とも言えるでしょう。なぜ明治新政府はここまで甘い処分を下したのでしょうか?

その理由として考えられるのは、資金の問題です。

もともと新政府軍は資金不足に悩んでいたため、処罰の緩和と引き換えに金を受け取ったほうが得策だと判断したとも考えられます。

参考資料:
日本史の謎検証委員会『図解 幕末 通説のウソ』2022年

 

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