日本と中国の関係史。近代以降の親交と衝突の歴史をたどる
明からの移住
日本と中国の最近の関係は、諸事情からピリピリしたところがありますね。
ただ、中国と日本が歴史的に深い関係にあるのは事実です。そして、中国で歴史の転換期や何らかの大事件が起きると、中国人が日本に移住してくることも珍しくありませんでした。
今回はそんな、民間レベルでの中国と日本の関係史を紹介したいと思います。ここでは特に近代以降の歴史を見ていきましょう。
まず注目すべきは明の滅亡期です。明は1644年に李自成の反乱と清の侵入によって引き起こされ、1662年に完全に滅亡。その後、明の遺臣や忠臣が日本に亡命してきて、彼らは日本で学問や文化を伝えるとともに、明の復興を目指して活動しました。
代表的な人物としては朱舜水や陳燾(南明最後の皇帝永暦帝の弟)などが挙げられます。朱舜水は水戸藩主・徳川光圀に招かれて江戸に移住し、光圀に儒学や数学を教えたことでも有名です。
また陳燾は琉球王国を経て薩摩藩に保護され、鹿児島で没しました。
一方で彼らも日本人からも影響を受け、朱舜水は日本人から陽明学を学んだと言われています。