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人間、謙虚さが一番。しかし…武士道バイブル『葉隠』が伝える大高慢のススメとは

人間、謙虚さが一番。しかし…武士道バイブル『葉隠』が伝える大高慢のススメとは

吾は日本無双の勇士と思はねば

……(続き)……然れども武篇は別筋なり。大高慢にて、吾は日本無双の勇士と思はねば、武勇をあらはすことはなりがたし。武勇をあらはす気の位これあるなり。口伝。

※『葉隠聞書』第一巻

あれ?江南和尚が説く謙虚さに、武士たちは心服しているではありませんか。一体どういう事でしょうか。

この話しには続きがあり「然れども武篇は別筋(確かに日常生活ならそうだろうが、武士は例外)」とことわっています。

我こそは日本にならびなき勇士と思い上がるほどの心意気で奉公せねば、ここ一番で武勇を発揮することができないと言うのです。

戦場で敵に対して「いやぁ、お強いですね」などとお世辞を言うこともなければ、「いえいえ、あなたほどではございません」などと謙遜する必要もありません。

そして武士は常在戦場、平時と有事のON/OFFなどない以上、常に高慢であらねばならないのです。

もちろん、それを表に出せば嫌われてしまいますが、日ごろから大高慢の野心を胸に秘めてこそ武士というもの。

あくまで謙虚な態度を保ちつつ、内には「自分がこの社会を支えているのだ」という気概をもって生きる姿勢は、現代の私たちも見習いたいものです。

※参考文献:

  • 古川哲史ら校訂『葉隠 上』岩波文庫、2011年1月
 

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