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「鎌倉殿の13人」刻々と近づく1月27日。『吾妻鏡』をたどり、第44回放送「審判の日」を予習

「鎌倉殿の13人」刻々と近づく1月27日。『吾妻鏡』をたどり、第44回放送「審判の日」を予習:3ページ目

不吉すぎ!鳩を叩き殺す小童の夢

夢と言えば、源頼茂(みなもとの よりもち。源頼政の孫)がこんな夢を見たと言います。

右馬權頭頼茂朝臣參籠于鶴岡宮。去夜跪拝殿。奉法施之際。一瞬眠中。鳩一羽居典厩之前。小童一人在其傍。小時童取杖打殺彼鳩。次打典厩狩衣袖。成奇異思曙之處。今朝廟庭有死鳩。見人怪之。頼茂朝臣依申事由有御占。泰貞宣賢等申不快之趣云々。

※『吾妻鏡』建保7年(1219年)1月25日条

頼茂が鶴岡八幡宮寺にお籠りで祈祷していた夜のこと。疲れが溜まっていたようで、一瞬だけトリップしてしまいました。

すると、目の前に一羽の鳩が現れたと思ったら、そばにいた小童がこの鳩を叩き殺してしまいます。

更には頼茂へも殴りかかってきたところで目が覚めました。何とも嫌な夢に夜が明けたところ、境内に鳩が死んでいるのを発見。

何とも不吉だと思って陰陽師の安倍泰貞(あべ やすさだ)と安倍宣賢(のぶかた)に占わせたら、やはり「不快(不吉)」の結果が出ました。

鳩は八幡大菩薩のお使い。それを叩き殺した小童は何の暗示なのか……歴史の結果を知らない当時の人々は、一体どんな災厄が降りかかるか戦々恐々としたことでしょう。

なお、この頼茂は実朝の死後に鎌倉殿を継ごうと京都で謀叛の兵を起こしていますが、今回の夢が何か影響を与えているのかも気になるところです。

終わりに

そして迎える1月27日。当日は晴れていたところ、夜になって雪が降ってきました。

「雪の日に出歩くな」「運命に逆らうな」

歩き巫女(演:大竹しのぶ)の忠告に反して、鶴岡八幡宮寺へ拝賀に向かう実朝。それを守るべき義時と義村、実朝を狙う公暁たちが、果たしてどのように絡み合うのでしょうか。

鎌倉史上でも屈指の大事件がどのように描かれるのか、三谷幸喜のアレンジに注目が集まります。

※参考文献:

  • 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡8 承久の乱』吉川弘文館、2010年4月
  • 三谷幸喜『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 完結編』NHK出版・2022年10月
 

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