「鎌倉殿の13人」繰り返される挑発に爆発寸前!北条義時・和田義盛の開戦前夜…第40回放送「罠と罠」予習【下】:5ページ目
終わりに
以上、『吾妻鏡』より泉親衡の乱から和田合戦の前夜(2月15日~4月27日)までたどってきました。
胤長の流罪は仕方がないにせよ、それを過剰に辱めたばかりか、通例に逆らって館を没収するなど義時の挑発が過ぎたようです。
とかく北条贔屓と言われる『吾妻鏡』ですが、こればかりはどう見ても義時の悪どさが隠せません。
間もなく始まる和田合戦において義盛ら一族は滅び去りますが、「鎌倉殿の13人」においてトップクラスの惨劇と後味悪さが予想されます。
視聴者諸賢におかれましては、来週再来週(第40~41回放送)にかけて、しっかりと覚悟を固めておくのがおすすめです。
【完】
※参考文献:
- 石井進『日本の歴史(7) 鎌倉幕府』中央公論社、2004年11月
- 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 7頼家と実朝』吉川弘文館、2009年11月
- 笹間良彦『鎌倉合戦物語』雄山閣出版、2001年2月
- 細川重男『頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」』朝日新書、2021年11月
- 三谷幸喜『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 完結編』NHK出版・2022年10月