異類異形の怪物どもが…鎌倉幕府滅亡は、呪術に手を染めた後醍醐天皇の呪いによるもの!?:2ページ目
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後醍醐天皇の秘法が届いたのか、北条高時の周りには奇怪な現象が起きていたといいます。
そのひとつの事例として、『太平記』の「相模入道田楽を好む事」(五巻の4)には、高時が異形のものと化け物のお囃子で、田楽舞を踊っていたという記述があります。
ある晩、酒に酔った高時が、当時京都で大流行だった田楽舞を自ら踊っていると、どこからかともなく十数人の田楽一座が現れて、高時とともに舞い歌っていました。
高時の屋敷に仕えていた一人の女中が、その面白そうな様子に障子の穴から少し覗いてみると、田楽一座の踊り手と思っていたものは全て“人ならざるもの”。
あるものは口ばしが曲がり、あるものは背に翼をはやした山伏姿で「ただ異類異形の怪物どもが、姿を人に変じたるにてぞありける」といった状況だったとか。
驚いた女中が家の中にいた高時の舅に訴えると、化け物たちはかき消すように姿を消し、座敷には高時が一人酔いつぶれて熟睡。畳の上にはただ鳥獣類の足跡だけを残して・・・。
このこと一つ挙げてみても、もしかしたら鎌倉幕府滅亡の裏には、後醍醐天皇の呪いが影響しているのかもしれません。
参考
- 太平記研究会『新訂 太平記 第1巻』(2013 東京堂出版)
- 「後醍醐天皇と闇の呪術戦争」『月刊ムー』No.126( 1991 ワン・パブリッシング)
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