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関東軍が満州事変を起こした本当の目的は何だったのか?ソ連対策と「リストラ阻止」のための策謀

関東軍が満州事変を起こした本当の目的は何だったのか?ソ連対策と「リストラ阻止」のための策謀

満州事変勃発!

1931(昭和6)年の満州事変は、昭和恐慌から抜け出すために、市場の活性化や失業者対策として関東軍が起こしたとされています。

そういう効果もあったかも知れませんが、関東軍の本当の狙いは別のところにありました。

そもそも満州事変とは、1931年に中国の柳条湖で、南満州鉄道の線路が日本の関東軍によって爆破された事件です。関東軍は、当時満州に駐屯していた日本陸軍の部隊の一つでした。

関東軍は、「爆破は中国軍の仕業である」と偽り、これをきっかけにさまざまな軍事行動を起こすようになります。

では、関東軍の本当の狙いは何だったのでしょうか?

「ソ連侵攻抑止」説

関東軍の本当の狙いは、二つありました。

一つ目はソ連の侵攻を防ぐというものです。

当時、関東軍はソ連の動きを注視していました。世界恐慌に各国が苦しむ中、ソ連は経済の発展も軍備増強も、世界初の社会主義国家としてうまくいっているように見えたからです。

万が一戦争になった時に備えて、防衛するにしろ侵攻するにしろ、関東軍は有利な場所に拠点を確保したいと考えていました。

もともと、満州での日本の権益として条約上認められていたのは、旅順と大連の小さな土地と、南満州鉄道沿いの付属地だけでした。

よって、関東軍もそこの守備だけを任されていたのですが、対ソ連の戦略的軍事拠点とするためには、満州全土を掌握する必要があります。

しかしそれは、日中の外交交渉で認められることではありませんでした。満州全土を自由に使えるようにするには、軍事力によって支配するしかなかったのです。

またソ連との位置的な関係だけでなく、満州は軍事物資を確保するのにもうってつけの場所でした。満州には炭鉱があり、石炭や鉄鉱石が採掘されていたからで、実際、当時の関東軍の参謀だった石原莞爾もそれははっきり明言しています。

つまり関東軍は、満州の植民地支配を目論んでいたのでした。

2ページ目 「軍人リストラ回避」説

 

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