クリスチャンの法律家
戦後の社会党出身の政治家で、総理大臣になった人に片山哲(かたやま・てつ)という人がいます。この人の人物像や実績について辿ってみたいと思います。
片山哲は日本の第46代内閣総理大臣を務めた人物です。1887年に和歌山県田辺市に生まれ、地元の中学校を卒業後、現在の京都大学である第三高等学校に進学。その後東京帝国大学独法科を卒業し、弁護士として活躍しました。
彼はクリスチャンの母親の影響で幼いころからキリスト教の思想に触れ、父親からは孔孟の教えと老荘思想の教えを受けていました。弁護士としてのポリシーも、そうした影響の中で培われていきました。
彼は法律相談所を開設すると、労働者や女性などの弱い立場に置かれる人々の事件を多く扱います。そうしたなかで片山は、社会の不公平を正すためには法律だけでなく、政治的な働きが必要であると考えるようになりました。
そして間もなく政界に入ると、社会民主主義の無産政党である社会民衆党の設立に関わり書記長に就任します。
衆議院議員に初当選したのは1930年のことで、旧神奈川2区から出馬し、以降通算10回の当選を果たすこととなります。