「鎌倉殿の13人」ネタバレ注意!前半放送の振り返りと後半 “血で血を洗う惨劇の連続” の予習:4ページ目
そして承久の乱へ……この21年間で16件の抗争事件が勃発。この内流血を未然に防げた3件を差し引いても、21年間で13回の暗殺や合戦が繰り広げられています。
ちなみに承久の乱から元弘3年(1333年)に鎌倉幕府が滅亡するまでの112年間で起こった政治抗争は14件。流血なし6件を除くと8件で、更に差が開きました。
この「頼朝のカリスマを喪ってから、承久の乱で鎌倉政権が何とか固まるまで」の21年間が、いかに異常であったかが分かります。
しかも源平合戦のようにかねてより対立していた勢力同士の抗争ではなく、かつては命を預け合い、苦楽を共に乗り越えて来た仲間同士というのが本当に悲惨です。
次から次へと仲間を殺し続けた義時。そこまでして上り詰めた権力であれば、たとえ後鳥羽上皇(演:尾上松也)のご意向であろうと手放す訳には行きません。
♪縱使有 千萬種 寂寞和 孤單相伴
既受終 冠帝冕 龍椅上 成敗也笑看……♪
※洛天依「権御天下」より【意訳】いかなる寂しさと孤独に苦しもうと、遺志を受け継いで権力の座に上り詰めたのだ。邪魔する者は誰であろうと容赦はせぬ。
頼朝の遺志を受け継いで、鎌倉を守ってきた義時と政子。たとえ天朝様(朝廷)が相手でも、ここで引いたら今まで殺した者たちが浮かばれません。
苦悩と葛藤の末、鎌倉の存亡を賭けた決戦に挑んだ義時。嫡男の北条泰時(演:坂口健太郎)率いる20騎足らずが鎌倉より出陣、その腰にはかつて頼朝から与えられた宝剣(太刀)が佩かれ……このシチュエーションがたまりません。
武士の世の存亡を賭けた一大決戦を思い浮かべるだけで、もう今からゾクゾクしてしまいますね。
終わりに
頼朝の背中を見て成長した青年が、いつの間にかそれを見失い、姉と力を合わせて権謀術数渦巻く中を闘い抜いたお話し。
頼朝の死をきっかけに、もう伊豆へ帰ろうと思っていた義時を引き留める政子。
「あなた卑怯よ……あなたに言われて私も腹をくくったんだから、あなたも責任を持ちなさい!」
気づけば自分の背中を見ている泰時(第26回放送時点ではまだ頼時)がいる……まだまだ義時は前へ進まねばなりません。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、頼朝の死によって暴走をはじめる「鎌倉」を制するべく、義時の奮闘は続きます。
7月17日(日)の第27回放送「鎌倉殿と十三人」が楽しみですね!
※参考文献:
- 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 後編』NHK出版、2022年6月
- 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 続・完全読本』産経新聞出版、2022年5月