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本能寺の変に「黒幕」はいたのか?たぶん明智光秀の単独犯行だった「四国政策転換説」を紹介【前編】

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本能寺の変「黒幕」説・5つの特徴

ここで各種の黒幕説を紹介すると恐ろしく長くなってしまうため、まずは結論となる特徴を並べていきましょう。

一、黒幕はどうやって光秀に信長暗殺をそそのかしたのか?その説明がない。
ニ、信長暗殺はいつ・どのように実行するのか?具体的な計画がない。
三、光秀が信長暗殺に同意しても、光秀の重臣たちはどのように説得したのか?
四、黒幕たちは信長暗殺の前後に光秀を支援している形跡がない。
五、黒幕がいたという裏づけ史料がまったくない。

三と五については黒幕の有無に関係なく、また四については何が支援なのか定義があいまいなため、あえて言及しなくてもいいでしょう。

 

しかし一とニは黒幕の有無を論じる上で決定的なカギとなります。黒幕説は、光秀が事前から信長暗殺を計画し、他勢力と連絡をとりあっていることが前提だからです。

まず黒幕が光秀に「信長を討てor討とう」と勧誘・説得し、光秀が同意したら初めて計画段階に移行できます。

しかし光秀が必ずしも承諾するとは限らず、何なら信長に黒幕による信長暗殺の意図を通報してしまうリスクもあるでしょう。そうなったら一巻の終わりです。

(暗殺の意図がバレても堂々とできるほどの勢力を持っているなら、そもそもリスクを冒して光秀をそそのかすなどせず、自ら信長暗殺を主導するでしょう)

まぁ、そこは幸運にも光秀が同意してくれたものとします(実際に暗殺を決行していますし、まったく殺意がなかったということもなさそうですから)。では、信長暗殺はいつ決行するのでしょうか。

「そんなの6月2日に決まってるでしょ?」

「何か完璧な計画があって、それを実行したから成功したんでしょ?知らんけど」

なんて思う方がいるかも知れませんが、それは結果を知っているから言えるのであって、信長暗殺が高確率で成功する(計画を決行できる)条件が揃うかどうかを事前に予測するのは非常に困難(というより、現実的に不可能)なのです。

3ページ目 あり得ないほどの好条件がたまたま出現

 

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