源実朝 暗殺の謎。黒幕はなんと北条義時?三浦義村?それとも……【鎌倉殿の13人】:5ページ目
実朝暗殺の黒幕まとめ
北条義時:ほぼデメリットしかなく、段取りも悪すぎ
三浦義村:北条擁護を貫いており、権力奪取の野心なし
後鳥羽上皇:自分たちに都合のよい実朝を殺す理由なし
……結局のところ、実朝の暗殺は公暁の単独犯だったものと考えられます。少なくとも、御家人たちの支持は得ていないでしょう。
(そもそも暗殺犯を将軍にしてしまったら「現将軍を殺せば自分も将軍になれる」という悪しき前例を作ってしまいます)
世間知らずな若者が「世が世なら、俺が将軍だったはずなのに」と血気に逸り、現将軍の実朝に逆恨みして義時(実は源仲章)ともども殺害。
当人としては義時も殺したつもりでいるため、現時点で幕府の最高権力者となる予定の義村へ「鎌倉殿に、俺はなる!」と協力を求めたところ、色よい返事をもらって有頂天に。
そんな大人の嘘にも気づかず、あっさりと殺されてしまった……と言ったところではないでしょうか。
果たしてNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ではどんな説が採用され、どのように名場面が描かれていくのか、今から楽しみですね!
※参考文献:
- 呉座勇一『陰謀の日本中世史』角川新書、2018年4月
- 永井晋『鎌倉源治三代記 一門・重臣と源家将軍』吉川弘文館、2010年6月
- 山本幸司『日本の歴史09 頼朝の天下草創』講談社学術文庫、2009年4月