源実朝 暗殺の謎。黒幕はなんと北条義時?三浦義村?それとも……【鎌倉殿の13人】:3ページ目
三浦義村が実朝暗殺の黒幕だった?
では次に、実は三浦義村こそが実朝暗殺の黒幕だったという説も紹介。
犯行当時、公暁は実朝と一緒に義時の暗殺も謀っており、間違えて源仲章(みなもとの なかあきら)を殺害しています。
義時は実朝の宝剣を奉持する役目を務めていたものの、直前になって「胃が痛い」と仲章に代わってもらったため難を逃れました。
公暁にとって義時は実朝以上にの仇(頼家を暗殺した首謀者)ですから、殺害動機は充分と言えるでしょう。
そして、実朝と義時が同時に死んで誰が得をするのかを考えた時、義時につぐ勢力を持っていた義村がその候補に挙がります。
義時さえいなくなれば、公暁を将軍に立てて自分は執権の座に収まる……そう計画していたのに、義時が難を逃れたため計画をバラされないよう公暁を殺したと言うのです。
義村は子の駒王丸(後の三浦光村)を公暁の門弟として送り込んでおり、その動向を逐一報告させるなど公暁を遠隔操作(それとなく誘導)していた可能性も考えられます。
ただし、義村は後に勃発した承久の乱や伊賀氏の変(義時の死後、その後妻である伊賀局らによる謀叛)などで一貫して北条氏を擁護する姿勢をとっており、権力を奪取する野心が見出せません。
また、もし義村が実朝暗殺の黒幕であるなら、少なくとも「次の将軍に誰を立てるか」くらいは考えておいたでしょう。
やはり動機(実朝暗殺によるメリット)も野心も乏しいため、三浦義村が実朝暗殺の黒幕であるとの説も根拠が薄そうです。