NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第12回は鎌倉ファン待望?の「亀の前事件」。皆さん固唾を呑んで心待ちにしていたことでしょう。
ついに源頼朝(演:大泉洋)の浮気が発覚。怒れる北条政子(演:小池栄子)による「後妻(うわなり)打ち」が炸裂しましたね。その破壊力は予想外だったようですが……。
頼朝「恐ろしすぎる。ここまでするか?」
政子「肝心なのは夫の裏切り!」
りく「咎めるべきは夫のふしだら!」
政子「病がちな我が子を放って側女と会っていたなんて、許せることではございませぬ!」
りく「今すぐ御台に頭をお下げください!」
頼朝「身の程をわきまえよ!下がれ!」
時政「わしの大事な身内にようもそんな口を叩いてくれたな!たとえ鎌倉殿でも許せねぇ!」
頼朝の逆ギレ(宗親の髻を切る暴挙)に時政が怒り、鎌倉を去る有名なシーン。時政の「言っちまった」の後ホッとしたような笑いを浮かべていたのが印象に残ります。当然激怒しているかと予想していたのに、ちょっと意外でしたね。
あぁいう穏やかな笑いを浮かべて決心した人間を翻意させるのはなかなか難しいものですが、小四郎こと江間義時(演:小栗旬)はどのように何とかするのでしょうか……。
さて、今回はそんな第12回から上総介広常(演:佐藤浩市)・源義経(演:菅田将暉)・三浦義村(演:山本耕史)+αをピックアップ。それぞれの見せどころを振り返りたいと思います。
広常、相変わらず頼朝大好きをこじらせる
坂東随一の実力をもって、鎌倉でも御家人筆頭を自負している上総介広常。何でも自分が一番じゃないと気が済まない彼は、相変わらず憎まれ口が多く、大江広元(演:栗原英雄)にマークされます。
頼朝「上総介殿には、引目役も頼む」
広常「喜んで、お引き受けつかまつろう」
この時、ちょっと口の端が緩むところが可愛いですね。うん、とても可愛い。
広常「武衛、どうせなら乳母(めのと)も俺やるよ」
何が「どうせ」だ、やりたくて仕方ないくせに……そんな頼朝大好きをこじらせまくった広常は、それゆえ非業の最期を遂げるのですが、それはまたのお話し。
これで今回の出番は終わりかと思ったら、隠れ家を叩き出された亀(演:江口のりこ)を引き取らされるのでした。
広常「いつまで預かってりゃいいんだよ」
義時「今、引き取り手を探しているところです」
広常「俺に色目使ってきやがった。あぁいう女は好かねぇ」
義時「早急に(苦笑)」
劇中に言及はないものの、頼朝の為だから……と亀を引き受けたのであろう広常。そんな広常の心情を承知で面倒な案件を押しつけた義時の成長?ぶりと信頼関係を感じる一幕でもあります。
また、いつか上洛した時に備え、公家たちにバカにされぬよう手習いを始めるのも(上洛したい意向を示している)頼朝大好きの一環と言えるでしょう。
小四郎と広常の関係が、いつまでも(少しでも長く)続いて欲しいと願うばかりです。
余談ながら広常の「あぁいう女は好かねぇ」という一言に、胸のつかえがとれた視聴者は、きっと筆者だけではないはず(よね?)。個人的には今回の「その一言を待っていた」ランキング第1位に輝いています。
ホント鎌倉殿は、あれ(牧の方=りくなんかより、よほど女狐)の何がいいんでしょうか。是非とも伺ってみたいものです。