「鎌倉殿の13人」政子の怒りに頼朝は逆ギレ。すると時政が…第12回「亀の前事件」振り返り:2ページ目
義経、ほとばしる青春のフラストレーション
平家追討の戦いに身を投じるべくやって来たのに、出陣の機会がなくモヤモヤしている源義経。
安産祈願に奉納する神馬を曳く役を渋ったエピソードの元ネタは『吾妻鏡』養和元年(1181年)7月20日条。
鶴岡若宮(現:鶴岡八幡宮)宝殿上棟式で大工に下賜する馬を曳くよう命じられたところ、義経は「(馬を二人一組で曳く上で)自分の身分に釣り合う者がいないから」と断りました。
すると頼朝は「畠山重忠(演:中川大志)らもやっているのに、卑しい役と思って嫌がるのか」と叱りつけ、義経は恐縮して役に当たったということです。
一方の大河ドラマでは頼朝が「やはりこういうものは見栄えが大事だからな」とフォローを入れますが、やれ馬の扱いが下手とかくしゃみが出るとか言い訳を連ねる義経。
頼朝「安産祈願が不満か」
義経「兄上は本当に私を跡継ぎと考えてくれてるのだろうか」
頼朝に嫡男が生まれたら、自分の立場がなくなってしまうことも、役目に不服を唱える一因と考えられますね。
義時「鎌倉殿は武人としての九郎殿の才に一目置いておられます」
政子「必ず鎌倉殿のお役に立つ時が来ます……(義経の手をとり)九郎殿、どうか」
姉弟そろって懸命に義経をフォローする義時と政子の姿に、北条ファミリーの温かさが感じられますが、その温もりは義経に伝わるでしょうか。
そんなフラストレーション(不満)が溜まっていた義経は、牧宗親(演:山崎一)の「後妻打ち」に興奮してしまいます。
義経「武蔵坊、派手に行け!」「威勢よくやれ!」
ここぞとばかりに感情のありったけをぶつけたのでしょうね。早く活躍の機会が得られればいいのですが……。