【史実と比較】「鎌倉殿の13人」北条時政、ぶん殴られて目を覚ます…?第9回「決戦前夜」振り返り:3ページ目
武田信義(演:八嶋智人)
信義「これを見よ……(中略)……わしは橘遠茂(たちばなの とおもち)を討ち取った。駿河の目代じゃ……」
武士が壺とか桶とかを持ってきたら、その中身はたいてい首級……その法則は今回も順調に発動しました(ちょっと覗かせて欲しいですね)。
誰が源氏の棟梁か、頼朝と張り合う信義は抜け駆けを謀るも失敗。視聴者的にはちょっとスカッとしたでしょうか。
八嶋智人さんのイヤなヤツ演技は、それと解っていても胃の底がムラっとくる絶妙さですね。
上総介広常(演:佐藤浩市)
広常「総大将は誰がやるんだ……俺がやってやるよ……この間の鎌倉入りみてえな事じゃ困るんだよ」
義時「その節は、申し訳ありませんでした」
広常「見栄えが大事なら、俺だって身なり整えりゃ、それなりに見える……(腹周りをポンポンと叩く)……よろしくな」
前回、鎌倉入りの先陣を「若くて見栄えがするから」と畠山重忠に代わられてしまった広常は、そのことをまだ気にしていたようです。
頼朝の将器に惚れ込み(第7回)、頼朝と「武衛」の間柄になって(第8回)、広常は意識してかせずか頼朝のファンに。
すっかり歳は食っちまったが、俺だって負けちゃいない。武衛にいいところを見せてぇんだ……この「腹周りポンポン」が、中年男性として凄く共感できてしまいます。
広常のみならず、常胤と言い義澄と言い実平と言い義実と言い、頼朝まわりの年寄りたちは本当に可愛くてなりません。
3月13日(日)放送の第10回「根拠なき自信」
かくして富士川から凱旋した頼朝の前に、かつての強敵・大庭景親(演:國村隼)らが引き出されます。
「東国の御後見」と恐れられた平家政権(東国支配)の象徴であった景親が最期を迎え、広常を悩ませる佐竹討伐に乗り出す頼朝たち。
若き天才・義経はこれがデビュー戦、どんな活躍を見せるのでしょうか。
義経「戦に出たら誰にも負けません!」
実衣「得体の知れない人が、どんどん増えてく」
義村「俺がもらっても文句はないな」
頼朝「わしが2人を取り結んでやる」
義時「八重さんも、これからは幸せになってもらいたい」
※次回予告より
サブタイトルの「根拠なき自信」とは、恐らく義経の態度を指しているものと思われます。果たしてどんな展開となるのか……来週も目が離せませんね!
※参考文献:
- 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編』NHK出版、2022年1月
- 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全読本』産経新聞出版、2022年1月