「鎌倉殿の13人」最後に交わした兄・宗時との約束…第5回放送の振り返りと次回のポイント:4ページ目
坂東武者の世をつくる……それまでは辛抱しようぜ
ついに宗時が怒りました。第1回から、ずっと頼朝を担ぎ上げ、北条を(独断も込みで)引っ張って来た宗時が。
宗時「この戦、必ず勝ちます」
見てろ。絶対勝ってみせる。宗時は自分と頼朝に言い聞かせ、工藤茂光(演:米本学仁)と共に伊豆を目指します。
武田の援軍を要請しに甲斐へ向かう時政・義時との別れ際、宗時は義時にこう言い残しました。
宗時「俺はな、実は平家とか源氏とか、そんなことどうでもいいんだ」
義時「兄上……」
宗時「俺はこの坂東を、俺たちだけのものにしたいんだ。西から来たやつらの顔色をうかがって暮らすのはもう真っ平だ。坂東武者の世をつくる。そしてそのてっぺんに北条が立つ。そのためには源氏の力がいるんだ。頼朝の力がどうしてもな」
宗時「だから、それまでは辛抱しようぜ」
あの忌々しい頼朝が何と言おうが……そんな思いを込めて義時の肩を叩き、「じゃあ行ってくる」と去って行く宗時の背中……それが最後の姿でした。
後に甲斐への道中、頼朝に愛想を尽かした時政が「このまま逃げちまうって手もあるよ」「頼朝の首級を持って行けば、(大庭も)赦してくれるんじゃねぇかな」などと口走ります。
しかし義時は「それまでは辛抱しようぜ」という兄との約束を守るため、父を諫めて思い留まらせ、再起を期して任務を遂行するのでした。
次回「悪い知らせ」見どころとポイント+α
さて。とかく負け戦さとは気分が荒むもので、そこをどれほど持ちこたえるかが再起のカギと言えるでしょう。
後白河法皇(演:西田敏行)「(頼朝の夢枕で)お前には神仏がついているんだからさ。強気でいけよ。お前しかいないんだから。なぁ、なぁ、なぁ……!」
まぁしかし、谷あればこそ山も高くなるもので、ここから物語は盛り上がります。
来週2月13日(日)放送の第6回「悪い知らせ」……頼朝の「ざれ言」によって宗時が喪われた哀しみから立ち上がる義時。
そして武田信義や上総広常(演:佐藤浩市)、畠山重忠(演:中川大志)など、頼朝の挙兵が波紋を広げた坂東の各勢力……その思惑が交錯する展開に、胸が熱くなりますね!
【余談】ドラマ後の「鎌倉殿の13人紀行」、今回の舞台は石橋山と政子たちが匿われた伊豆山神社。
そして本編には登場しませんでしたが、激闘の中に散華した佐奈田義忠(さなだ よしただ)の活躍と彼を祀る佐奈田霊社に言及。100%割愛されると思っていただけに嬉しかったです。
源平合戦にはこうした勇士がたくさん登場する(けど、ドラマでは割愛されてしまう)ので、是非とも興味を持って調べて欲しいと思います。
※参考文献:
- 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編』NHK出版、2022年1月
- 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全読本』産経新聞出版、2022年1月