「鎌倉殿の13人」最後に交わした兄・宗時との約束…第5回放送の振り返りと次回のポイント:3ページ目
敗北の逆境に仲間割れ寸前
宗時「皆よく戦った。三浦の助けもなくここまで互角に戦えたのは見事だ」
時政「これはもう勝ったも同然。のう婿殿」
頼朝「どう考えても負けておるではないか!」
……いやはや、北条父子のけなげな励ましを察してあげなさいよ。むしろ責任を痛感している部下を慰め、叱咤激励するのが大将の務めというものです。
頼朝「だからわしは不承知だったのだ。お前たちのせいだ!調子のいいことばかり言いおって。北条を頼ったのが間違いであったわ!時政、なんとかせい。わしはここで死ぬわけにはいかんのだ。命に代えてわしを守り抜け!」
よくもまぁこうまで利己的なことが言えたものだ……怒りに震える時政の手を抑える義時。宗時の「まだ勝負はついておりませぬ」というセリフの、本当にけなげなこと。
ちなみに、頼朝が大袖に刺さった矢を忌々しげに抜くと、そこには乳兄弟「山内首藤滝口三郎経俊」の名前が。
頼朝「山内首藤……あいつめ!」
これで第2話からのフラグを回収。この後のエピソードもやるのか、一応覚えておきましょう。
さて、気を取り直して再起を期するためには甲斐で挙兵した武田信義(演:八嶋智人)の力を借りるよりありません。しかり頼朝はプライドが許さぬと拒絶します。
頼朝「あいつに頭を下げるぐらいなら今すぐ自害する!」
盛長「佐殿!」
ここでいつもは温厚な安達盛長(演:野添義弘)が初めて頼朝に対して声を荒げて諫めました。
頼朝「……任せる」
頼朝は烏帽子からおもむろに持仏(お守り用の小さな仏像)の観音像を取り出し、洞窟内に安置します。
土肥実平(演:阿南健治)「かわいい観音様でございますな」
髻(もとどり)の中へ結いこんでいた持仏を、烏帽子も脱がずにどうやって取り出したのだろう……なんて野暮はやめておきましょう(なお、この時に自害を覚悟して髻を根元からバッサリ切っています)。
頼朝「こんなことならご本尊を持ってくるべきであった。誰か取ってきてくれ。誰か!」
宗時「私が参りましょう」
頼朝「待て待て。ざれ言じゃ」
宗時「……すぐに戻ります」