王子で大晦日から元旦に行われる奇祭「狐の行列」は都心にいながら、日本の民間伝承を味わうことができる祭礼です。
「狐の行列」は大晦日に装束稲荷神社の前でかがり火を焚きながら年を越し、その後、狐面を被った一団が装束稲荷神社から王子稲荷神社まで行列を組んで練り歩きます。
その様子はとてもインパクトがあって、さながら「大晦日のハロウィン」のような感じを受けます。ハロウィンが古代ケルト民族が収穫を祝った祭礼が起源であるように、「狐の行列」も農事祭礼が元となっています。
王子に鎮座する「王子稲荷神社」は妻恋神社と並び関東の稲荷社の総司とされており、創建は平安時代に始まる大変歴史ある神社です。稲荷神は日本全国にも3万社以上とも言われるほど、日本人には馴染みの深い農耕の神で、古来から多くの人々から信仰され、各地に勧請されるようになります。
関東地方においては、王子稲荷神社が稲荷社の中でトップの格付けでした。