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その昔「衣替え」は実は厄払いだった。季節の習慣の背後にある日本の”ケガレ思想”

その昔「衣替え」は実は厄払いだった。季節の習慣の背後にある日本の”ケガレ思想”:2ページ目

他にもある、6月のケガレ祓い

さて、衣替えのそもそものスタートが「ケガレ祓い」にあったことは先に書きました。

先にも少し書きましたが、6月は一年の中でも梅雨時のジメジメ鬱陶しい時期とあって、最もケガレが積もりやすいと言われていたようです。さらに猛暑や災害も起こりやすいですね。

そこで、日本に伝わるお祓いイベントの中でも、半年に一度の大きなものである「夏越の祓(なごしのはらえ)」というのが行われるようになりました。これは一年の折返しにあたる6月30日に各地の神社で行われる行事で、半年分のケガレを落とし、残りの半年の無病息災を祈願するものです。

ちなみに、冬に催されるのは「年越の祓」と呼ばれています。どちらかというと年越の祓の方が盛大に行われるイメージですが、いずれも節目に行われる大切な行事です。

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夏越の祓の由来は神話にまで遡ることができ、イザナギが行った儀式がその起源とされています。主に行われるのは、神社に大きな「茅の輪(ちのわ)」を設けて行われる「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」と「人形流し」の2つです。

茅の輪とは、茅(ちがや)や藁(わら)を編みこんだ大きな輪のこと。神社の境内に立てられた直径数メートルほどのこの輪を潜り抜けることによって、半年分の災厄が洗い流されるのです。

このくぐり方にもきちんと作法があり、「水無月の夏越の祓する人は、千歳の命延(の)ぶというなり」と唱えながら、左回り→右回り→左回りの順で、8の字を描くように三回続けてくぐるとされています。

ちなみに、この輪に使われている茅を輪から抜き取って持ち帰ったりしてはいけません。そこには輪をくぐった人たちのケガレや厄が染み込んでいるからです。それ自体が「ケガレて」いるわけです。

3ページ目 ケガレや厄を別のものに染み込ませる「人形流し」

 

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