「お盆」の語源と意外な起源
お正月が、実はご先祖様の霊を迎えるための日であるということは、前にも書いたことがあります。
大晦日・お正月・節分・お盆をつらぬく日本文化の「根っこ」とは?【後編】
お正月にやってくる「カミ」はご先祖様さて、前編の内容から、大晦日という日が、日本人にとっては邪気やケガレなどの悪いものを祓うための節目の日だったことが分かると思います。前編はこちら[i…
とはいえ、これはいわばトリビア。日本人にとって「ご先祖様を迎える」行事といえばやっぱり「お盆」でしょう。
この時期は、多くの人が地元や実家に帰省します。最近はオンラインでの帰省も多いと思いますが、考えてみればこれもまた、ご先祖様の霊を地元で出迎えるためのもの。
八月三日の「迎え盆」では、夏野菜のキュウリやナスを馬に見立てた「精霊馬(しょうりょううま)」を作って盆飾りとするのが通例です。
お盆の時期に帰ってきたご先祖様の霊は、この精霊馬に宿ります。
同時に、私たちは迎え火を焚いて霊をお迎えし、ご先祖様を供養します。
さて。このお盆の儀式のことは、正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)と呼びます。
使われている漢字もケッタイなら読み方も妙ちくりんですが、それもそのはず、この言葉の語源はサンスクリット語の「ウランバナ」なのです。
で、この「ウラバンナ」には、実は私たちの持つお盆のイメージからは程遠い意味があるのです。
それは「餓鬼道に堕ちて逆さ吊りにされ、苦しみもがいていること」なのです。