今につながる食文化も!江戸時代の食事を庶民・農民・武士など階級ごとに解説:2ページ目
各位別の食事事情
庶民の食事情
庶民の食事の基本は、「一汁一菜」でした。ごはん、汁物、そして漬け物などの野菜のおかず一品です。白米中心の生活で、魚はめったに食べられませんでした。米は朝のうちにいっきに炊き、昼食と夕食は冷や飯を食べていました。
ここで驚くのが白米の量。なんと一日に4~5号の白米を食べていました。江戸っ子は全国から米が集まるため白米が食べられることを自慢に思っていたようですが、病気に苦しむ人も多くいました。それが、「脚気(かっけ)」と呼ばれるものです。ビタミンB1不足によって起きる疾患で、足がしびれるなどの症状がでます。玄米に多く含まれるビタミンB1を摂取できなかったことが理由です。
農民の食事情
農民は、米を作ってもそれを年貢として納めなければならなかったため、ほとんど食べることができませんでした。そのため、農民は「かて飯」(少しのお米に大根、芋がらなどを入れて炊いた雑炊のようなもの)を中心に食べていました。
庶民と比べると質素な食事に思えますが、脚気にかかることはあまりなかったそうです。
武士の食事情
武士といっても、下級武士の食事は白米を中心としたもので、庶民とあまり変わりませんでした。上級武士の食事は、魚が加えられる機会も多かったと言われています。また、大名や将軍という位の高い人々は、魚料理や卵料理を楽しんだり、お酒をたしなむこともあったそうです。
まとめ:江戸時代の食事情は階級によってさまざま
ご紹介した江戸時代の食事事情、いかがでしたか?江戸時代、と聞くと様々な文化が花開いた豊かな社会、と思う方も多いかもしれませんが、農民や庶民は質素な暮らしをしていたことがわかると思います。
そして、現代の私たちの食卓を見渡してみると、いかにバラエティに富んだ豊かな食生活を送れているか実感できるのではないでしょうか。
今は世界中から注目される和食。これからも日本の食文化から目が離せませんね。