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江戸時代グルメ雑学 十五夜も十三夜も正月もサトイモ!日本では古くから神聖な食材とされてきた「里芋」の歴史

十五夜も十三夜も正月もサトイモ!日本では古くから神聖な食材とされてきた「里芋」の歴史

栄養食としてのサトイモ、その健康効果

さてそれでは、サトイモはどうしてここまで神聖視されたのでしょう。

もちろん、古代の人々にとっては育てやすい、貴重な食料だったというシンプルな理由もあると思います。

しかし、サトイモの栄養価も見逃せません。

栄養学的に見て、イモ類の中でも粘り気のあるもの……例えばサトイモ、自然薯、タロイモやヤムイモなどは健康維持に絶大な効果があるとされています。

これらのイモ類には、テストステロンというホルモンが含まれています。テストステロンは男性ホルモンの一種ですが、男性に限らず男女ともに若々しさを維持する効果があると言われています。

アンチ・エイジング医学によると、このホルモンの数値が低下した場合、意欲や記憶力、骨量や筋肉量に悪影響をおよぼして体調不良に陥るとされています。また反対に数値が増えれば、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病といった生活習慣病の改善も期待できるそうです。

テストステロンは、適切な睡眠や生活習慣の改善で増やすことが可能です。しかし、最も手軽に増やす方法は、なんといっても上記のようなイモ類を積極的に摂取することです。

今ではスーパーでも簡単にいくらでも手に入るサトイモ。しかしその歴史を紐解くと、何千年も前から大切に育てられ、神聖な食べ物として摂取されてきたことが分かります。しかも生命エネルギーは現代科学の折り紙付きときた日には、健康維持のために食べない手はありませんね。

参考資料
永山久夫『イラスト版たべもの日本史』(1998年・河出書房新社)
Gochi弁 毎日オフィスで、ごちそうさま。「元気を維持するホルモンとは?」
江戸食文化紀行-江戸の美味探訪- NO.44 月見と団子

 

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