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ガードの固い才女『小野小町』の食生活は科学者並み!?その美貌の秘密とは

ガードの固い才女『小野小町』の食生活は科学者並み!?その美貌の秘密とは:3ページ目

ビタミンC、ショウガ……。コラーゲンにとどまらない的確な栄養摂取

また小町は、コラーゲンを摂取するだけでなく、その効果を倍増させるすべも知っていたようです。その体内効率を高めるためにはビタミンCが必須ですが、彼女が食べたとされるメニューには、ウリ、アンズ、ユズ、モモがたくさん盛られていたというのです。

その組み合わせは、科学的に見ても、肌の若返りをはかる上で非常に正鵠を射たものでした。ビタミンCには、肌を白くする働きや、病気に対する抵抗力を強化する作用もあります。

さらに、です。小町の卓越した食材の選択眼は、これにとどまりません。彼女は料理のコースの中に「ショウガ」を添えるのを忘れませんでした。

ショウガには、解毒・消炎作用のあるシネオールや強い殺菌作用のジンゲロール、そして血行促進と体温保持・新陳代謝の活発化に寄与するショウガオールが含まれています。

小町があれほどの山海の珍味を食べても食中毒を起こさなかったのは、おそらくショウガの効能も大きかったと思われます。ショウガにはホルモンの分泌を盛んにする効果もあるので、コラーゲンの効果も倍増したことでしょう。

小町は、どんな食材ををどのような組み合わせで食べれば、若さと美しさを長持ちさせられるのかを本能的に知っていたのかも知れません。少なくとも、後世の私たちにそう思わせるほど、美容効果の高い食事をしていたのです。

彼女の美貌やガードの固さが伝説的なら、このような科学的な食生活もまた、「小野小町伝説」に加えてもいいかも知れません。

しかしそんな小町も、百人一首ではあの有名な歌を詠んでいます。

花の色は移りにけりな
いたづらに
わが身世にふる眺めせし間に

「花の色」という言葉には、自分の容姿が重ね合わせられています。これほど美容の保持に力を注いでいた彼女ですが、最後には、「若く美しい女の盛りが何もしない間に過ぎ去ってしまった」と嘆いています。

生涯に渡って他人に自分の容姿を晒すことなく、また男性の求愛にも肘鉄を食らわせ続けた小野小町。彼女の生涯も謎に包まれていますが、美容に賭けたその思いや目的もまた、永遠の謎です。

参考資料
永山久夫『イラスト版たべもの日本史』(1998年・河出書房新社)
アサ芸プラス「歴史美女が実践した「健康長寿」食生活(2)小野小町は日本初のコラーゲン美顔」

 

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