空海はまだ生きている…1200年続く儀式って?高野山トリビア、どれだけ知ってる?:2ページ目
空海は生きている…1200年続く「生身供」とは?
今だ奥の院で祈りを捧げていると伝えられる空海。
毎日朝6時と10時半に、空海へ食べ物をささげに行く「生身供(しょうじんぐ)」という儀式が行われます。
この儀式は空海の入定(にゅうじょう)から現在まで1200年もの間脈々と続けられているという凄い儀式なのです。
空海は高野山の東、「奥の院」の御廟という場所にいるとされ、手前には「御廟橋」があり、そこから先は脱帽・撮影禁止となっています。承和元年(834)に空海自ら入定場所を定めて、翌年3月に入定が近くなると弟子に自らの体を運ばせます。そして3月21日午前4時に御廟に入り、「永遠の瞑想」へ入ったと伝えらています。
ちなみに入定という言葉は主に空海にのみ使用されているようで、悟りを開いた状態と同義です。
「生身供」の手順は、御供所(ごくしょ)という場所で食事が調理され、維那(ゆいな)という役職の高僧が御供所のすぐ傍にある嘗試地蔵(あじみじぞう)の前に捧げて味見をしてもらいます。2人の僧がその膳を白木の箱に納め、維那が先頭に立ち御廟へと運んでいきます。
維那は燈籠堂の奥の御廟へ食事をお供えした後、読経して再び御供所へと戻ってきます。
ちなみに燈籠堂は治安3年(1023年)、藤原道長によって現在の姿に整えられたといわれ、堂内には祈親上人や白河上皇が奉納した燈が「消えずの火」として燃え続けています。