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髪など、またいくらでも…明智光秀が戦国一の愛妻家になった、妻・煕子の驚きの決断

髪など、またいくらでも…明智光秀が戦国一の愛妻家になった、妻・煕子の驚きの決断:2ページ目

汁講の費用をどうしよう……貧乏だった明智光秀

今は昔、まだ光秀がどこにも仕官していなかった浪人時代、気の合う仲間同士で汁講を楽しむことになったそうです。志あふれる若武者たちが「いつかは武勲を上げて、立身出世を!」などと語り合ったら、さぞ盛り上がることでしょう。

しかし、光秀が参加したところ、他のメンバーによるもてなしが豪華すぎて、少々面食らってしまいました。

(え、『シンプルにやるから』とか言ってたのに……どうしよう、ウチは貧乏だからこんなに用意できない……)

なにぶん浪人暮らしゆえ無理からぬとは言っても、同輩たちが用意しているのだから、あまり見劣りするものでは恥をかいてしまいます。

「とは言っても、日々の入用さえままならぬところ、見栄を張って身代を損なってはのぅ……」

主人役は交替で務めることになっていましたが、みんなを興醒めさせてしまうくらいなら……辞退しようとこぼしたところ、妻・煕子(ひろこ)が反対しました。

「何をおっしゃいますか、立身出世は人とのつながりなくしては成りませぬ……費用でしたら、わたくしが用立てますゆえ、どうか『お汁』の主人は、そのままお務めなされませ」

一体どうする気なんだろう……心配な光秀でしたが、あのしっかり者の煕子が申すのであれば、いやしかし……などと落ち着かないまま当日を迎えると、確かに豪勢な料理が並んでいました。

「おぉ……流石は明智殿、実に見事なもてなしよのぅ……」

「これほどの馳走、さぞや骨を折られましたろう……」

「い、いやぁそれほどでも……ハハハ……」

3ページ目 「髪など、またいくらでも……」煕子の決意に応えた光秀

 

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