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水戸黄門もお気に入り?羊羹で有名な和菓子の老舗「とらや(虎屋)」5世紀の歴史!

水戸黄門もお気に入り?羊羹で有名な和菓子の老舗「とらや(虎屋)」5世紀の歴史!

近現代、そして未来へ

そして明治元1868年に天皇陛下の東京行幸へ随行し、明治二1869年の東京奠都(※4)に伴って東京出張所を開店、今度は経営も軌道に乗って今日に至ります。

そんな虎屋の軒先には「やらと(※5)」で有名?な暖簾が風に揺れていますが、その右上端には「千里起風」の印判が押されており、これは虎が千里の野を縦横無尽に駆け巡る力強さ、そしてひとたび咆哮すれば風を起こす(※6)威厳を表わした造語です。

また、左端に押された「御菓子調進所」「黒川」の印判からは「和菓子の御用命は、ぜひ(黒川が店主を務める)当店へ」という皇室御用達ならではの矜持が感じられますね。今度、お店に行くことがありましたら、ちょっとでも目をやると、より満足度の高いお買い物が出来るかも知れません。

暖簾に込められた5世紀の歴史を受け継ぎ、これからも虎屋が羊羹をはじめ和菓子づくりを通して日本文化の魅力を発信していくことを期待しています。

(※4)てんと。都を定めることを言いますが、都を完全に移して元の京都を廃する「遷都」とは異なるため、現代の日本には「二つの首都」があると解釈する説もあります。
(※5)よく「昔は横書き文章を右から左へ書く」と思われますが、これは「一行一文字の縦書き」であり、横書きの場合は昔から左から右に書きました。
(※6)古来「虎嘯(うそぶ)けば風騒ぐ」と言い、龍が雲を呼び起こすのに対して、虎には風を呼び起こす力があると考えられていました。

※参考:
虎屋の五世紀~伝統と革新の経営~

 

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