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女性差別?女性を守るため?かつて日本に生理中の女性を隔離する「月経小屋」が存在した理由

女性差別?女性を守るため?かつて日本に生理中の女性を隔離する「月経小屋」が存在した理由

海外でもアメリカのインディアンやミクロネシア、ニューギニア、インド、南アフリカなどの諸民族の間に似たような習俗があり、国や地域によっては1970年代に入ってからも
「生理中の女性と同じ食器を使った人は死ぬ」
「生理中の女性が花や果物に触るとしなびる」
などと信じられていました。

「小屋生活」の期間の「ラクな部分」と「とんでもなくしんどい部分」

さて「月経小屋」での生活がどのようなものであったのかは、現代では想像するしかありません。

これについては個人個人で感じ方に差があったでしょうが、
「ここに入っている期間は家事も育児もしなくて良いので、ただでさえしんどい生理中はむしろゆっくり休めて助かるわ」
という、現代の「生理休暇」的な考え方をする人や地域も存在したようです。

しかし

・近所の人々にいつが生理の日かバレバレになってしまう
・隔離されている有様を、通りがかりの子供にまでバカにされる

などの屈辱的な思いをする女性も、決して少なくはありませんでした。

「月経小屋」が現代は消えていることからも、多く女性の感覚ではまさに「女性蔑視の象徴」であり、かなり屈辱的なものだったことがうかがい知れます。

生理中の女性を不浄として隔離する風習は、日本では1872(明治5)年に「今より産穢憚り及ばず候事」という法令が発布され、公式には廃止されました。
しかし現実には、第二次世界大戦後まで「地域の習俗」として残っていたようです。

出典

 

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